仕事納め。毎年、この日が楽しみだった。

うちの会社はお昼で終業、彼の会社は定時の後に忘年会。私は連休用のお泊まりの準備をしながら、彼が迎えに来てくれるのを待つのが恒例だった。

今年は、今年からは、違う。

帰り道に立ち寄ったお店で買ったのは、いつも週末に彼と飲んでいた酔わないウメッシュと、彼に手向ける花。そして彼の好きなケーキ。

仕事納めの日の午後をこんなにぼーっと過ごすのは十何年振りだ。何せ、出掛ける予定が無いのだから。
9連休。彼と一緒なら、どんなに嬉しかっただろう。

長い休みを一緒に過ごすと離れるのが寂しくて、付き合って10年以上経っても私はいつも、連休最後の夜が来る度こっそり泣いていた。
そう、私はいい歳なのに寂しいと泣く。だから今なんてもう5ヶ月以上ほぼ毎日、泣いている。あまりにも突然に亡くなってしまった彼と最後に交わした言葉は、

「じゃあね。またね。」

だったから。2日後に会った彼は眠っていて、眠ったまま、天へ旅立ってしまったから。

またね、を待つ私は今日も、泣くのだ。




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